この記事はTokyo City University Advent Calendar 2020の12日目の記事です。
昨日の記事は あいうさんによる 「日中間の懸念事項を並べてみる。」 でした。
前置き
何を書こうかな、12月とかまだ先だし後で考えよう。とか思ったら12月になってしまったので、「オリジナルデザインのArduinoを作ろう!五島慶太編」と題しまして無難に都市大絡めて書きたいと思います。
※この記事はちょうど1年前くらいにやったことを思い出しながら(再度)再現したものです。よって写真についてはずいぶん前のを一部使いまわしてたりします
はじめに
さて、東急グループの創設者である五島慶太が、東京都市大学(旧武蔵工業大学)の発展に尽力された人物として祭り上げられていることは、都市大生なら入学時点で皆知るところかと思います。
そんな五島慶太を日々崇め(ネタとして消化し)ようと都市大生は、ケーキを囲んでみたり、生誕の地を訪れてみたりと躍起になっているようです。いや、少なくとも私の観測範囲では。主語が大きいのはよくないですね。
そこで私も慶太を崇めようと、2018年の136回目の慶太の誕生日に特製クリアファイルを製造し配布した所、意外と好評をいただきました。全部で30枚出回ったはずです。
ちなみに五島慶太生誕祭の様子は#五島慶太生誕祭20XXなどで振り返ることができます
オリジナル五島慶太・生誕祭グッズの第二弾は、2020年はプログラミングや電子工作の初心者でも扱いやすいマイコンボードとしてよく知られている「Arduino」として使える、Arduino互換ボードをつくってみたよというのがこの記事の要旨になります。前置き長すぎごめんない汗
#五島慶太生誕祭2020#五島慶太翁生誕祭2020
— にゅーなるこ🍀🐧 (@TCU_IP) April 17, 2020
というわけで今年もやって来た五島慶太生誕祭
一昨年やたら好評を頂いた五島慶太グッズが帰ってきた(?)
2020年の五島慶太グッズは、オリジナルデザインの互換Arduinoを作りました pic.twitter.com/dTvWI4gYuU
Arduinoそのものの製作で、Arduinoを使って○○みたいなのは今回はとくにやってないです。
基板製作
◎基板設計CADソフト「KiCad」
基板設計にはKiCadを使います。KiCadの使い方自体については「kicad 使い方」などでググっていただければもっといい記事が510万と出てくると思うので、ここでは軽い紹介程度にしておきす。
ちなみに昨年の都市大アドカレでは、ましまさんがKiCadをつかってオリジナルキーボードを作っています→工学知識0の情報学生が40日で1からキーボードを設計して作ってみたお話。
KiCadでオリジナル基板をつくるまでのざっくりとしたイメージとしては
・回路図を書く
・回路図だけではどんな形の部品なのかわからないので、部品ごとに形(フットプリントと言います)を与える
・各部品のフットプリントと回路図からのそれぞれ接続を、基板上に配線していく
という流れになります
◎回路図を書く
KiCad内「Eeschema」を使って回路図を書いていきます。回路設計なんてわからな~いって方も多いと思いますが大丈夫、私も分かりません泣
Arduino UNOの回路図は公開されていますので、今回はそれをぱくっていきます。
「CとC_smallの違いって・・・何?」と思うかもしれませんが、違いはありません。ないです。
後述しますが、部品は別で任意に割り当てるので、ただわかりやすく区別できるねってだけです。ここでは私は容量で使い分けて区別しやすくしました。
◎配線する
回路図が書けたら基板に配線していきます。その前に、回路図だけではどんな形の部品なのかわかりません。1/4Wカーボン抵抗でも1005チップ抵抗でも回路図上では全部「抵抗R」です。そのため部品ごとにその外形(フットプリントと言います)を与えます。
フットプリントはKiCadにプリインのものもあれば、ないものはネットからダウンロードしたり、自分で作ることができます。基板層の何処をはがすか穴をあけるかの情報でしかないのでパッケージが共通のものは使いまわせたりします。今回は以下のようにしました。
この時点でお気づきの方もいると思いますが基板上でR1などの「R_0805_2012Metric_Pad1.20x1.40mm_HandSolder」とC12の「C_0805_2012Metric_Pad1.18x1.45mm_HandSolder」は物理的実体としては全く同じものになります。CとかRとか言われるとそれを選ばなきゃいけないのかな・・・?という気がしてきてしまいますが、これらはKiCadが用意してくれた「SMD0805サイズのRだったらここのレジスト剥がすよな・・?」というお話でしかないので最後に所望の部品を実装さえできればなんでもいいのです。ですのでもっと言えば例えばRなのにピンヘッダを与えてカーボン抵抗で結ぶとかしちゃっても問題ないのです。
同じことを2回言ってしまいましたが、私は昔いまいちこのへんがピンときませんでした。
配線作業は「Pcbnew」で行います。これらのソフトはそれぞれ独立しており、保存ファイルで連携しています。「Eeschema」で出力したネットリストを読み込み割り当てた部品が現れたら、これを配線...するとこうなります(すみません途中画像ないです・・・)
基板層によって色分けされており、ここでは赤茶色の層が表面、緑色の層が裏面になります。◎オリジナルのフットプリント(シルク)を作る
今回のキモであるオリジナルのシルクを作ります。シルクとは基板表面に印刷される模様のことです。五島慶太シルクは作ってしまったので、参考にこのアニメの画像からオリジナルシルクを作ってみます。
保存場所を用意したら二値化画像からフットプリントを出力します。KiCadの「ビットマップコンポーネントコンバータ」(画像赤丸部分)から設定してエクスポートします。解像度の項目でフットプリントの大きさを設定できます
(KiCadのフットプリントは拡大/縮小といったことはできません。ちなみに「テキストを追加」機能では日本語テキストも入力できないので、シルクに日本語を入れたい場合はいちいちフットプリントを用意することになります)
そうしてできた今回の基板シルクが以下になります。
「大学のロゴとかは著作権的なものがあるのでは」という懸念の声があり、結果、一応似て非なるものしてあります。五島慶太の著作権ってあるのでしょうか・・・?東急9000系のシルクは写真を元に加工しています。
◎基板を発注する
基板が完成したらガーバデータを出力し基板業者に発注します。中華PCB業者が数ドル~の格安で基板製作サービスを提供しています。
基板注文したのは今年の2月ころ、ちょうどコロナが出始めた頃で届かなかったりで、はやくこいよといくつもの業者に頼むことになってしまいました。
これ、コロナのせいで来なそうだったり色々あって3社で同じものを頼むというくっそ無駄遣いをしたのでシルクの比較でもしてみる個体差が支配的だろうけど、シルクの綺麗さは今回Fusion>>>>Elecrow>>JLCって感じだったかな pic.twitter.com/jo55dK4paV— にゅーなるこ (@lgbtinverter) April 17, 2020
実装
◎基板に部品を実装する
基板ができたら次は実装です。部品はツイッターのとてもつよい系の人から教えていただいたLCSCというサイトで注文しました。モノによってはすごい安くて有能です。秋月に行く機会が減りました。
たくさん買っても値段あんま変わらんので一生分買ってしまいます。チップ抵抗1000個も使いきれる日はいつになるんだろう・・・
LCSCは配達日数も非常に速いです。例えば現在ですと先日の12/6未明の注文は8日にDHLで発送され、10日には都内で受け取ることができました
せっかくなのでチップ部品を多用しています。基本[inch]0805サイズ([mm]2012サイズ)で統一しています。手はんだもしやすくユニバーサル基板のランド間にも載るので個人じゃ全部これでいいかなって感じです。
◎リフロー実装
部品が届いたらはんだ付けをします。
手はんだでも実装可能ですが、今回はリフロー炉を使います。
基板にペースト状のクリームはんだを印刷し、リフロー炉で基板ごと熱してはんだを溶かすことでチップ部品は全部まとめて実装することができます。
クリームはんだは秋月八潮で買ったものを使います。ずいぶん前に買ったもので常温で冬を越え夏を越えしてるのでちょっと品質が怪しい
これがマンハッタン現象ちゃんですか pic.twitter.com/PUfZmTtW7h
— にゅーなるこ (@lgbtinverter) April 17, 2020
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