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2020年12月12日土曜日

オリジナルデザインのArduinoを作ろう!五島慶太編

この記事はTokyo City University Advent Calendar 2020の12日目の記事です。

昨日の記事は あいうさんによる 「日中間の懸念事項を並べてみる。」 でした。


前置き


何を書こうかな、12月とかまだ先だし後で考えよう。とか思ったら12月になってしまったので、「オリジナルデザインのArduinoを作ろう!五島慶太編」と題しまして無難に都市大絡めて書きたいと思います。

※この記事はちょうど1年前くらいにやったことを思い出しながら(再度)再現したものです。よって写真についてはずいぶん前のを一部使いまわしてたりします




はじめに


さて、東急グループの創設者である五島慶太が、東京都市大学(旧武蔵工業大学)の発展に尽力された人物として祭り上げられていることは、都市大生なら入学時点で皆知るところかと思います。

そんな五島慶太を日々崇め(ネタとして消化し)ようと都市大生は、ケーキを囲んでみたり、生誕の地を訪れてみたりと躍起になっているようです。いや、少なくとも私の観測範囲では。主語が大きいのはよくないですね。

そこで私も慶太を崇めようと、2018年の136回目の慶太の誕生日に特製クリアファイルを製造し配布した所、意外と好評をいただきました。全部で30枚出回ったはずです。

ちなみに五島慶太生誕祭の様子は#五島慶太生誕祭20XXなどで振り返ることができます


オリジナル五島慶太・生誕祭グッズの第二弾は、2020年はプログラミングや電子工作の初心者でも扱いやすいマイコンボードとしてよく知られている「Arduino」として使える、Arduino互換ボードをつくってみたよというのがこの記事の要旨になります。前置き長すぎごめんない汗



Arduinoそのものの製作で、Arduinoを使って○○みたいなのは今回はとくにやってないです。



基板製作


◎基板設計CADソフト「KiCad」

基板設計にはKiCadを使います。KiCadの使い方自体については「kicad 使い方」などでググっていただければもっといい記事が510万と出てくると思うので、ここでは軽い紹介程度にしておきす。

ちなみに昨年の都市大アドカレでは、ましまさんがKiCadをつかってオリジナルキーボードを作っています→工学知識0の情報学生が40日で1からキーボードを設計して作ってみたお話。


KiCadでオリジナル基板をつくるまでのざっくりとしたイメージとしては

・回路図を書く

・回路図だけではどんな形の部品なのかわからないので、部品ごとに形(フットプリントと言います)を与える

・各部品のフットプリントと回路図からのそれぞれ接続を、基板上に配線していく

という流れになります

◎回路図を書く

KiCad内「Eeschema」を使って回路図を書いていきます。回路設計なんてわからな~いって方も多いと思いますが大丈夫、私も分かりません泣

Arduino UNOの回路図は公開されていますので、今回はそれをぱくっていきます。

部品を全部同じものを使ってもいいのですが、お財布的に厳しいので部品を削ったり、仕様を変更しています。主なとこだとUSB端子をmicro-USB type-bに、シリアル変換にCH340Gを使用しました。NanoとUnoの合の子のような仕様です。

「CとC_smallの違いって・・・何?」と思うかもしれませんが、違いはありません。ないです。

後述しますが、部品は別で任意に割り当てるので、ただわかりやすく区別できるねってだけです。ここでは私は容量で使い分けて区別しやすくしました。


◎配線する

回路図が書けたら基板に配線していきます。その前に、回路図だけではどんな形の部品なのかわかりません。1/4Wカーボン抵抗でも1005チップ抵抗でも回路図上では全部「抵抗R」です。そのため部品ごとにその外形(フットプリントと言います)を与えます。

フットプリントはKiCadにプリインのものもあれば、ないものはネットからダウンロードしたり、自分で作ることができます。基板層の何処をはがすか穴をあけるかの情報でしかないのでパッケージが共通のものは使いまわせたりします。今回は以下のようにしました。


ここでたとえば「R1」にはフットプリント「R_0805_2012Metric_Pad1.20x1.40mm_HandSolder」が適用されており、その外形は以下のようになります。
Handsolderはおそらく手はんだしやすいように少しランド(赤茶色の部分)が大きくデザインされてるバージョンの意だと思います。


そしてそれらのフットプリントを用い配線していき

その物理的な完成品としてはこのようになります。

この時点でお気づきの方もいると思いますが基板上でR1などの「R_0805_2012Metric_Pad1.20x1.40mm_HandSolder」とC12の「C_0805_2012Metric_Pad1.18x1.45mm_HandSolder」は物理的実体としては全く同じものになります。CとかRとか言われるとそれを選ばなきゃいけないのかな・・・?という気がしてきてしまいますが、これらはKiCadが用意してくれた「SMD0805サイズのRだったらここのレジスト剥がすよな・・?」というお話でしかないので最後に所望の部品を実装さえできればなんでもいいのです。ですのでもっと言えば例えばRなのにピンヘッダを与えてカーボン抵抗で結ぶとかしちゃっても問題ないのです。

同じことを2回言ってしまいましたが、私は昔いまいちこのへんがピンときませんでした。



配線作業は「Pcbnew」で行います。これらのソフトはそれぞれ独立しており、保存ファイルで連携しています。「Eeschema」で出力したネットリストを読み込み割り当てた部品が現れたら、これを配線...するとこうなります(すみません途中画像ないです・・・)

基板層によって色分けされており、ここでは赤茶色の層が表面、緑色の層が裏面になります。



◎オリジナルのフットプリント(シルク)を作る

今回のキモであるオリジナルのシルクを作ります。シルクとは基板表面に印刷される模様のことです。五島慶太シルクは作ってしまったので、参考にこのアニメの画像からオリジナルシルクを作ってみます。


必要になるのは「二値化」という作業になります。フルカラーのビットマップではRGB3色各256階調ありますが、基板シルクに表現できるのは印刷するかしないかのみです。階調もありません。

画像編集ソフトで不要な箇所を切り取り、二値化を行います。フォトショのほかimageJとかKiCad本体でも行えます。ここではフォトショで行いました。



こんなことわざわざ言うまでもですが、元画像の階調のどこで白にするか黒にするか
のしきいが閾値です。いい塩梅に調整します。


シルクのフットプリントを作る前に、フットプリントを保存するためのフォルダを任意の場所に用意し、ライブラリに追加します(フットプリントライブラリ→フットプリントライブラリを管理→グローバルライブラリ→テーブルに既存ライブラリを追加)
私はドキュメント直下にフットプリントライブラリ用のフォルダを用意しました。




保存場所を用意したら二値化画像からフットプリントを出力します。KiCadの「ビットマップコンポーネントコンバータ」(画像赤丸部分)から設定してエクスポートします。解像度の項目でフットプリントの大きさを設定できます

(KiCadのフットプリントは拡大/縮小といったことはできません。ちなみに「テキストを追加」機能では日本語テキストも入力できないので、シルクに日本語を入れたい場合はいちいちフットプリントを用意することになります)





追加できました。



このように自由にシルクを作ることができます。

シルクはたのしいので基板製作の大きなモチベになります。というかほとんどそのためみたいなとこある

ちなみにビットマップコンポーネントコンバータ出力時にレイヤーをシルクではなく半田層マスク、つまりレジストを塗らない箇所に指定すると、その部分の基板表面のレジスト(=一般的に基板といってイメージされるあの緑色の表面層)をはがして、内部の配線層を露出させることができます。
画像右下のフットプリントはそうしています。
銀色のロゴなんかを表現したいときにいいと思います。


そうしてできた今回の基板シルクが以下になります。

「大学のロゴとかは著作権的なものがあるのでは」という懸念の声があり、結果、一応似て非なるものしてあります。五島慶太の著作権ってあるのでしょうか・・・?東急9000系のシルクは写真を元に加工しています。



◎基板を発注する

基板が完成したらガーバデータを出力し基板業者に発注します。中華PCB業者が数ドル~の格安で基板製作サービスを提供しています。

基板注文したのは今年の2月ころ、ちょうどコロナが出始めた頃で届かなかったりで、はやくこいよといくつもの業者に頼むことになってしまいました。


実装


◎基板に部品を実装する

基板ができたら次は実装です。部品はツイッターのとてもつよい系の人から教えていただいたLCSCというサイトで注文しました。モノによってはすごい安くて有能です。秋月に行く機会が減りました。


たくさん買っても値段あんま変わらんので一生分買ってしまいます。チップ抵抗1000個も使いきれる日はいつになるんだろう・・・

LCSCは配達日数も非常に速いです。例えば現在ですと先日の12/6未明の注文は8日にDHLで発送され、10日には都内で受け取ることができました


せっかくなのでチップ部品を多用しています。基本[inch]0805サイズ([mm]2012サイズ)で統一しています。手はんだもしやすくユニバーサル基板のランド間にも載るので個人じゃ全部これでいいかなって感じです。


◎リフロー実装

部品が届いたらはんだ付けをします。

手はんだでも実装可能ですが、今回はリフロー炉を使います。

基板にペースト状のクリームはんだを印刷し、リフロー炉で基板ごと熱してはんだを溶かすことでチップ部品は全部まとめて実装することができます。

クリームはんだは秋月八潮で買ったものを使います。ずいぶん前に買ったもので常温で冬を越え夏を越えしてるのでちょっと品質が怪しい


クリームはんだの印刷はステンシルというアルミ製の薄い板で行います。


基板を余ってたほかの基板で固定し、その辺にあったカードでクリームはんだを印刷します。


なかなか苦戦
繰り返しているうちに、
クリームはんだをぬるま湯で湯煎すると滑らかになってずいぶんやりやすくなる事
画像上のように印刷しただけではこのカードでは押さえつける力が足りないのか、のちに下のように戻し綺麗にすりきらないと、はんだがモリモリになってしまうことがわかりました。



はんだを印刷したらピンセットで部品を載せていきます。クッソちまちま作業でつかれる
そしてブログ書くのもこのへんでつかれてくる



チップ部品をすべて載せ終わったら焼いていきます。
スルーホール部品についてはこの要領では実装できないので、焼き終わったあと別途手はんだで実装します。


横着して2枚同時焼きしたら失敗したり、普通に炉の性能が足りないのかPIDゲインが悪いのか100Vでやるのが悪いのか、何にしろなかなかキレイに行きません。

失敗例
両足の半田量や熱的な接続などのバランスに偏りがあると、張力差でこのような現象が発生することがあります。
高層ビルに見立て「マンハッタン現象」などと呼ばれているようです。

は言いつつも何とか焼き上がり、ソケットなど残りのスルーホール部品を手はんだで実装完了です。(画像上)



裏面パーツを先に手はんだで実装してしまったので、はんだが溶けないように保護してから焼きました。


ちなみに途中で飽きてきて印刷されなかったところにえいっと雑にクリームはんだを乗っけたりしたのですが、焼いてみると右のように割と何とかなりました。
キレイにできるかははんだの印刷にかかっています。...が、こだわらないならこだわらないなりに加熱中にはんだが勝手にランドに集まってくれて、なんか助かっちまうのがリフローのいいところですね。


◎仕上げ


半田のヤニがなんかやたらよく出るはんだを使ってるためこのままだと美観上微妙です。
パーツクリーナーを吹きかけたら一瞬で見違えてびっくりしました。
最初フラックスクリーナというのを使ったのですが、たぶん使い方が悪かっただけですがベッタベタしちゃってもう使いたくないです。パーツクリーナーは神



今回購入した心臓部であるマイコン本体(Atmega328p)はArduinoが書き込まれていない素の状態のものなのでArduinoのブートローダを書き込みます。
もう少し課金すれば書き込み済でそのままArduinoとして使えるモノも秋月で販売されています。


とりあえずLチカのサンプルプログラムを書き込んでおきます。


◎完成

9000系のヘッドライトは電源に(常点灯)、テールライトはLEDピン(D13)につながっています。



今回、もともと春に配るつもりだったために個数を作りました。
自分用で1コつくる。ということは今までやったことがありますが、ひとに見せれるようなモノを、ある程度の個数、安く作るとなると前者とまた勝手が違ってくる、見え方が変わってくるということがわかりました。
ひとに配線ミスったのを後から無理やりなおしました!なんてのも恥ずかしくて見せたくないですしね・・・笑

配布します!


そうなんですよ個数作ったんですよ
貰ってください
今更すぎね


本来はクリアファイル同様の頒布をしたいところですが、昨今の事情を鑑みるにあまり学内でワラワラするのもよく思われされなそう&そもそも人が来ないということで中々びみょいです。
一応置いとくので欲しかったら取っててね形式をとることにします。
14号館SAKURAガーデン前、バイク置き場に私の原付が
火曜(15日)
金曜(18日)
の昼~4限終わり くらいまで出現します。することにしました。
ありありとわかりやすく座席の上にでも置いとくので勝手に貰ってって下さい!
あっこの見守りの人?に言っておけばいいよね?今いないのかなあの人
(経緯の末くっそ雑になってしまいました、もしなんかあれだったらごめんなさい)
あとはまあなんかあったらツイッターにでもそのとき書くかも、なんかあったら声かけていただければ
なんていうか悪意とかそういうんじゃなきゃ別にFF外とかでも大丈夫です
蛇足でした。


追記:無事頒布でき、15人の方に引き取っていただけました。
クリアファイルと比べ人を選ぶモノなので10枚も用意しときゃいいやろだったのですが、びっくりです。
まさかの他キャンパスや他大からわざわざ来てくださった方もおり(それほどのモノでもなくないか?と思いつつも)大変恐縮です。ありがとうございました・・・




以上 #tcuac2020 12日目の記事でした。いかがでしたか?
わざわざ見ていただきありがとうございました。

明日はやさいさんの「四工大生におすすめしたい社会はアニメのススメ」です。
今期は割と豊作らしいね。とかいって見てないけど



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